風胴は [自動車・船舶・安全]

一様な空気の流れを人工的につくりだし、流れの中に置かれた物体による流れの変化の状態、逆に流れが置かれた物体に及ぼす影響、あるいは流れの中の物体の運動などを調べる装置。

初めは航空機の設計や研究に用いられていたが、現在では自動車、鉄道車両、自転車、船舶などの設計、高層ビル、塔、橋梁など構造物に対する風の影響、防災や環境整備のための特定市街地域での風と建築物との関係、山岳によって発生する乱気流の解析などにも利用され、また、スキーのジャンプや滑降競技、自転車競技などでの選手の姿勢の研究や風圧に対する選手の訓練、あるいは用具の開発などの用途もある。

広範囲に風胴を利用してきたのは航空機である。

縮尺模型、または実際の機体をそのまま用いて、揚力、抗力、モーメントなどの機体に働く空気力を測定するほか、翼型や翼だけの空気力学的特性を測定したり、翼や胴体の表面の空気の流れの状態や圧力の分布状態、翼と胴体との結合部分などの流れの干渉状態、離着陸や低空飛行の場合に地表面が飛行機に及ぼす影響、そのほか航空機の性能や空気力学的な特性について、計算だけでは予測できない現象を観察、測定することができる。

航空機は空気を対象とするので、計算結果がかならずしも実際と一致するとは限らない。

そこで、新しく航空機を開発するとき、まず縮尺模型による風胴試験を行って、あらかじめ空気力学的特性や機体周囲の空気の流れの状態を調べ、欠陥を修正しておけば、実機が完成したときにぐあいの悪い部分が生じることは少なく、また改修するにしてもごく狭い範囲で足りる。

いきなり実物を製作して試験を行うのと比較して、模型の段階でならば試験や改善を実機よりも容易に行うことができ、手間や費用、時間の節減ができ、安全である。

また、風胴試験は航空機事故の原因の探究にも利用される。
update:2010年05月04日